世界で一番早く朝が来る場所〜永遠〜E
久し振りに抱いた彼は…以前より軽いような気がした。 以前も、突然気を失ったことがある。
人形のように綺麗な顔は、ぱっと見性別が解りにくい。 彼のどこに惹かれたのかは…未だに解らない。 ただ、笑わせたかった…幸せにしたかった…それだけだ。 だから、泣かせたくなかった。 自分のことで泣く彼を…ただ、守るだけではいけない。
「…エンヴィー…」 名前を呼んでも返事はない。
ふと空腹感を覚え、朝にトーストを一枚食べたきりだったことを思い出す。 エンヴィーも…目を覚ませば食べるだろうか。
好きという感情。 彼について何も知らない自分が居た。 誕生日と血液型は知っている。 「…ダメだな…」 深く溜息をついて自嘲する。
そのまま、流れだったのだろうか。 誰に責められることでもないけれど。 彼のことを愛しているだけでは、何も変わらない。 彼の気持ちを考えていないのと同じだった。 だから…独り善がりで別れてしまったのだ。
まだ眠っている。 「…エンヴィー…」 エンヴィーの顔に冷やしたタオルを当てる。
「…突然倒れたんだ…大丈夫か?」 「……ぅ…ん…」 体を起こして、辺りを見回す。 「…ここ…お兄さんの部屋?」 「あぁ」 不思議そうに部屋を見る。 「…初めてかも。仕事以外で人の部屋のベッドに寝るの」 「…へぇ…そうなのかい?」 「大佐の部屋にも行ったことないよ」 そういえばそうだ。
しばらく部屋の中を見回していたが、エンヴィーは小さく呟いた。 「あぁ…スープがある。食べようか」 頷いて、エンヴィーは立ち上がった。 「そこに座っていなさい…」 エンヴィーをキッチンにある椅子に座らせると、スープの入った皿をテーブルに置く。
「…そうか?ありがとう…」
無言のまま、飲んでいた。 「……お兄さん…コックさん?」 しばらくしてエンヴィーが顔を上げた。 「いや…?」 「…凄く美味しい」
その笑顔が、嬉しい。 |