世界で一番早く朝が来る場所〜永遠〜C
「ねぇ…お兄さんは…どうして俺を指名したの?」 「…君の噂を聞いて、一度逢ってみたいと思ったんだ」 答えると、エンヴィーは大きなベッドに私を座らせ微笑む。 「ありがとう」
驚いた顔でエンヴィーは言った。 「俺を抱きたいんじゃないの?だから来たんじゃないの?」 「…君が私に抱いて欲しいと言うなら」
「……何で…そんなこと言うの…?」
泣きそうな顔を向け、エンヴィーは私の服の裾を握る。
「そういう客ばかりでは…君も疲れるだろう?」
「…お兄さんて…変なの…」 「そうか?」 「…うん…」
何も知らない振りをして聞く。 「顔も声もそっくり…俺のこと、大事に愛してくれてた。優しくて…強くて…」 何かを思い出すように私の顔を見る。 「俺を無理に抱こうとはしなくて…紳士だった。俺、その人が大好きで…その人のために生きたいって思ってた」
「…でもね…その人、俺を残して居なくなっちゃった…死んじゃったんだ」
「その人にもらったもの、全部捨てて…でも忘れられなくて…その人に似てる人を相手にして…抱かれてた」 「…疲れるだろう?」 「うん…でも、お世話になった人にお金返したくて」
だから、安心して。
細い指が、いつの間にか流れていた涙を拭う。 「…ぁ……」 「変なの」 慌ててハンカチで涙を拭うと、笑いながら言われた。
自分は優しくも何ともない。 「…そうか?」 それでも、そう返すことしか出来なかった。
その言葉に、苦笑して答えた。 「私もそう思う」 「…お兄さん、俺のこと抱かないなら安くしてあげるよ」 エンヴィーは何でもないように言った。 「え…?」 言葉の意味を理解して驚くと、頬を染めながら見つめてくる。 「俺の身体に負担ないし…お兄さんのこと気に入ったし」 「だが…」
その直後、細い身体のどこにあるのか不思議なほど強い力でベッドに押し倒される。
エンヴィーが上にのし掛かる。
受付にエンヴィーが連絡したのか、料金は30万になっていたが、女性は何も言わなかった。 「またのご来店をお待ちしております」
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