世界で一番早く朝が来る場所〜約束の場所へ〜N
何も、形のあるものは要らない。
全て悪いのは私であることは重々承知している。 それでもそうせざるを得なかったのは、君のことを思ってであることは、知っておいて欲しい。
それでも、君の幸せのため、と思っていた。 それが、君とは違うものを指していたとしても。 軍人であるがゆえ、この先どうなるかなど解らない私には、確かな未来など約束できなかった。 君を幸せにするなど、口だけになる約束など、したくはなかった。 まだ若く未来もある君を私の約束で縛り付けるのは、君がどう思おうと、私は嫌だった。 せっかく、君は自由になったのだから。 1人の男の身勝手な約束でまた、繋がれた人生を送らせるなど、私には許せなかった。
君が傷つくことを解っていながら。 それでも、その傷はいつか癒えて、また綺麗な笑顔を見せられると願って。
しかし、今は君を幸せにするという確かな約束は出来ない。 今の君は、私を捨て他の誰かと未来を築くことの出来る状態だ。 望むならばそうしていい。 君を愛する人は沢山居る。 その中に、もしかしたら私以上に愛しく思える人がいるかもしれない。
私を許して、私が帰ってきたとき、君が私を選んでくれるならば。 そのときは、どうか、私と結婚して欲しい。 そのときは、君を幸せにすると約束しよう。
私も、君の傍にいることが私の幸せであると…そう思っている。 だから、君のもとへ帰ってくる。 愛する君の笑顔を見るために。
指輪は私からの贈り物だから、どうするかは君の自由だ。 箱は、もし私に何かあった場合、鍵を開けて欲しい。 鍵は、約束の場所にある。』 |