世界で一番早く朝が来る場所〜約束の場所へ〜K
「エンヴィー、行こうか」 何だか辛そうな顔をして俺に言った。 「うん!」 元気がない大佐。 何か嫌な予感はしつつも、それを振り払うように笑顔を作った。
2人で歩くのは久しぶり。 「…君に言いたいことがあるんだ」 「言いたいこと?」 大佐を見ると、とても言いにくそうな顔をしていた。 「…エンヴィー……岬まで行こう」
空は相変わらず曇っていた。
大佐と向かい合って…でも大佐は俯いたまま俺を見ない。
「ありがとう…大佐。でも、いきなりどうしたの?」 解らなくて訊ねると、不意に抱きしめられて。
「…俺もだよ?」 「君以外、私を強くも弱くもできる存在はない」 俺と同じこと。
「…この前、ずっと…一緒にいると…約束したね」
「……うん…」 何だか聞きたくなくなった。
「…戦争に…行かなくてはいけなくなったんだ」
「…私が…軍人だからだよ」 「…そうじゃなくて…何で……一緒にいられないの?帰ってこないの?」
「…帰ってこれないかもしれないから…だからダメなの?」 「そうだよ」 「…帰ってきたら…どうするの?」 「…そのときはそのときだよ」 どうしてそのくらいのこと、約束してくれないの。 「…君との約束を守れないかもしれない…だから…」 何が、だからなの。 「…別れよう」 大佐の声が、やけに大きく聞こえた。 |