世界で一番早く朝が来る場所〜約束の場所へ〜B




 どきどきは、時間の流れを速く感じさせるほどに。




 待つのには慣れてる。

 それでも、俺の寝坊癖は治らなくて。




 夢を見ていた。
 夢の内容は覚えていないけれど。






「…ィー……エンヴィー…?」




 耳元で、大佐の声がして。




「…ん…〜…ん…」




 枕を抱きしめて寝返りをうった。




「エンヴィー?」




 大佐が呼んでる。
 でも、眼を開いたら大佐は居ない気がした。
 これは、きっと夢なんだ。




「エンヴィー…早く起きないと、食べてしまうよ」




 枕を取られて、顔にかかった髪を払われたと思った瞬間、暖かい唇が俺の唇に触れた。




「っふ…?!」

 驚いて目を開けると、大佐の眼を閉じた顔があった。

「んぁ…っは…」

 歯列を舌でなぞられて舌を絡めとられる。

 気持ちよくて、思わず自分から絡ませてしまう。

 ベッドに押さえつけられながらも、大佐の首に腕を回して、離れないように。




「はぁ…っ…」

 長いようで短いような時間、久しぶりの大佐とのキス。
 唇が離れる瞬間、泣きたくなった。




「…ぁ…」




「おはよう、エンヴィー。目は覚めたかな?」

 俺を抱き起こして、嬉しそうににっこり笑ってくる大佐。

「た…大佐っ……や…何…」




 俺は今、絶対耳まで真っ赤だと思う。




「来ることは知っていただろう?」

「そうだけど……」

「いつも10時まで寝ていると聞いたから、起こしに来たんだ」




 時計を見ると、もうすぐ10時だ。




「う…っ…」

「久しぶりだね、エンヴィー」




 微笑まれて、気づく。

 俺はこの人を心から愛していて。
 この人を嫌えと言われたら死ぬか狂うかしか出来ないと。




「…大佐は…元気そうだね」

「あぁ、君に逢えたからな」




 ホントに嬉しそう。
 俺なんかのどこが好きなんだろう…この綺麗な人は。




 抱きしめられて沢山キスをされながら、そんなことを考えてしまう。




「何で…昨日起こしてくれなかったの」

 膨れて言うと、くすくす笑って頭を撫でて。

「起こしたら可哀想だと思ったから」

「でも、あの電話で起きたし!」




 それに。
 大佐の声を聞きたかったのに。




「解った。次からはそうするよ」






 唇にキスをされて。
 そのまままた2人でベッドに倒れ込んだ。