世界で一番早く朝が来る場所P




 カーテンから射し込む光が眩しくて、ゆっくりと目を開いた。

 目の前に逞しい胸を見て、誰かに素肌のまま抱きしめられていることに気付く。

 顔を上げて、それが大佐であることを確認した。

 大佐を起こさないように腕をすり抜けて起きあがる。




「……そっか……」




 胸だけじゃない、足の付け根や腹にまで散らばる赤い跡を見て、思い出す。




「俺…大佐と…した…んだ…」




 恥ずかしくなって、顔が火照る。

 初めてでもないのに。




 でも…今までで一番、気持ちよかった。




 初めて抱かれたような気さえして。
 それはただの気のせいでしかない。

 だけど。




「ありがとう…大佐」




 大佐の頬にキスして、シャワーを浴びるために風呂場に向かう。






 あんなに熟睡したのなんて久しぶり。
 安心できたのも。

 それもこれも、きっと大佐とだったからだと…そう思う。






「失ったら…生きていけない」

 少し熱めの湯の飛沫を全身に受けながら、本気でそう思った。




 優しく触れる指…体中を撫でる唇。
 俺の名前を呼ぶ優しい声。

 貫く熱。




 思い出すだけで、体中が熱くて。
 大佐を受け入れた場所が熱を持つ。




「…こんなこと考えるなんて…俺って恥ずかしい奴…」




 蛇口を捻ってシャワーを止めて、風呂場を出た。






 服を着て居間に行くと、大佐がバスローブを着てソファで新聞を読んでいた。






「おはよう、大佐」

 どきどきしながら声をかけると、優しく笑って「おはよう」って返してくれた。




 また、昨日のことが恥ずかしくなって、頬に両手を当てた。
 赤くなるのが、自分でも解る。




「どうした?」




 大佐が、俺の傍まで来て、顔を覗き込む。

 間近で顔を見て、思わずぎゅっと目を瞑った。




「…今更、恥ずかしがるんだ?」

「…〜っ…!」




 大佐の意地悪。




「…恥ずかしい…よ」




 大佐に抱きついて、胸に顔を埋めて呟いた。

「そうか」

 苦笑しながら髪を撫でてくれる。




「大佐は、恥ずかしくない?」

「恥ずかしいが…むしろ、嬉しくてな」




 …変なの。




「朝ご飯どうする?」

 顔の火照りが収まった頃、そう尋ねてみた。

「また、何か頼むか?それとも…」

「ここ、朝バイキングやってるからそこに行こう?」




 昨日まで毎日行ってたから、解る。




「解った。着替えなくてはな」

 頭にキスして身体を離して、大佐がベッドルームに戻る。






「…今日…離れるんだよね…」

 改めて考える。
 だから、あんな風に強請って大佐に抱いてもらって。




 切なくて。

 涙が出そう。




「迎えに来てくれるから…信じてるけど」

 昨日、言った言葉は…きっと叶う。

 大佐の、お嫁さんになるの。

 辛くないから。




「さて、行こうか、エンヴィー」




 大佐の着替えは終わったようで、俺は大佐に手を引かれてバイキングに向かった。