世界で一番早く朝が来る場所M
柔らかいベッドに乗せられていることに気がついて、、目が覚めた。
「……いきなり、気を失ったからな」
「…じゃあ、今日は休んでいた方がいいかもしれない…」
リザさんと大佐が話している声が聞こえた。
うっすら目を開いて、ここが泊まっていたホテルであることに気付いた。
サイドボードの時計は2時50分を指している。
「また、逢えて嬉しかった」
「…私は…」
「いいの…私は今、幸せだから…」
「…エンヴィーを…よろしく頼む」
ドア越しの声は、ぎこちなかった。
大佐がリザさんを選ばなかったのは、選べなかったからなんだろう。
聞いちゃ悪いと思って、また、眼を閉じた。
次に目を覚ますと、暗がりで見た時計は6時を指していて。
部屋はそのままだし、きっとリザさんか誰かが俺と二人残って、明日移動するんだろうと思った。
でも、違った。
丁度、ノックして部屋に入ってきたのは…コップを持った大佐だった。
「…た…いさ…?」
思わず声を出すと、大佐は驚いていた。
「…目が覚めたか」
「…うん…」
体を起こして、大佐を見つめた。
「…リザさんたちは行ったの?」
「ああ…明日、一緒に隣街に行こう」
「仕事は…?」
「問題ない」
サイドボードにコップを置いて、大佐はベッドに座った。
何かを、思い出す。
「熱はないから…きっと疲れていたんだろうな」
あやすように頭を優しく撫でられた。
「…何で大佐が…」
「リザが、私に任せたんだ」
「そっか……逢えて…良かったね…」
嬉しいような悲しいような気持ち。
大佐には、きっと解らない。
「ああ…あれ以来逢っていなかったからな」
少し辛そうな声で言われて、胸が痛かった。
「…水…飲むか?」
「え…うん…」
頷くと、さっき持ってきたコップを渡された。
「私は隣の部屋に居るから…何かあったら言いなさい」
立ち上がり、出ていく大佐の背中を見て。
水を一口飲んでまた横になった。
「…何か…違う」
今まで、男の人と2人きりになったら…抱かれる、としか考えられなかった。
大佐は、俺を抱きたいとは思わないのだろうか。
やっぱり、男を抱くのには抵抗があるのかもしれない。
俺は、男に抱かれたことしかない。
…女の人を抱こうなんて思ったこともないし、抱いたこともない。
自分から望んだこともない。
だから、初めてかもしれない。
抱かれたいと思ったのは。
大佐を、欲しいと思ったのは。
でも、だからってそんなことを言うわけにもいかないし、望んじゃいけない。
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