| 雪 雪が降る。 音もなく、ただ降り続ける。 どうしてかな。 こんな夜は、無性に淋しくなる。
深夜なのに、明かりのともる部屋の窓を叩いて、呼びかけた。 「久しぶりだな…エンヴィー…こんな時間にどうした?」 窓を開けて、コートに積もった雪を払う人。 「ちょっと、寄ったから」 窓から尋ねる人なんて、おかしいけど。 「エンヴィー」 抱き入れられた部屋の温度は、暖かくて。 「どうして泣く?」 涙を親指で拭われて。 「大佐は………」 大佐だから。 「雪、好き?」 「好きだよ」 「俺とどっちが好き?」 「君に決まっているだろう?」 冷えた身体を抱きしめられて、唇を奪われた。 「……俺、雪、好きだよ」 あんたの黒が、映えるから。 「もちろん…」 「大佐の方が、大好きだけどね」
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