さようなら

窓から見える空が明るいのを見て、朝が来たのを知る。

ここはどこ?
何故俺はここにいる?
まだ半分寝ぼけた頭で色々思い出す。



「あぁ…またヤったんだっけ…大佐と」

首を回して隣でスヤスヤと眠っている黒髪の男を見た。

「ロイ・マスタング…大佐…ね」

何も知らない振りして近付いて…こんな風に身体を重ねる関係にまでなったけれど。

「実はそろそろ…潮時なんだよね」

離れないと、もう時間がない。

俺は、この人の敵なんだから。
いつまでも恋人みたいなことはしてられない。

この人は人間で…俺は人ではない存在。
俺は…この人の親友を殺した犯人。
こんな関係でいること自体、間違ってるんだ。




「…ねぇ…俺のこと…好きだった?」

起き上がって服を着て…訊ねた。
眠っているから答えはないけど。




俺は、好きだったよ…あんたが。

きっと。




もう、恋人としては逢えない。
ラストおばはんに止められるだろうし。

次に逢うとき、俺はあんたの敵だよ。




「…またね…ロイ・マスタング…」

頬に口付けて大佐の部屋を出た。




さようなら、大佐。




end