| 契 約束して。 今だけでいい、一番大切なのは俺だって。
今日は、大切な用があるから部屋に居て欲しいって言われて、ずっと待ってたのに。 「すまない、エンヴィー…ちょっと、悩んでしまって」 申し訳なさそうに言った大佐の手には、小さな箱があった。 「……何、その箱」 「…あぁ…困ったな…予定が…」 渋い顔をして箱を見つめる大佐の前に立って、俺もその箱を見つめる。 「………もしかして、指輪とか?」 よく、女の人が男の人にもらって喜ぶ、アレ? 「……本当に予定を狂わされるな」 溜息をついて大佐が箱を開く。 「君にあげようと思ってね」 中に入っていたのは、何やらシンプルな白銀の指輪。 「サイズとかどうなわけ?」 「以前、君が寝ているうちに測らせてもらった」 箱から指輪を出して、俺の左手の薬指にはめる。 「………何で?」 「君を、私のものだと証明するために…」 顔を上向かされて、キスをされた。 「……今だけでいい……私を好きで居てくれるとき…そのときくらいは、私だけのもので居てくれ」
許される限り。
END |