約束して。

今だけでいい、一番大切なのは俺だって。




「大佐、遅い!」

今日は、大切な用があるから部屋に居て欲しいって言われて、ずっと待ってたのに。
大佐が帰ってきたのは10時を回った頃だった。

「すまない、エンヴィー…ちょっと、悩んでしまって」

申し訳なさそうに言った大佐の手には、小さな箱があった。

「……何、その箱」

「…あぁ…困ったな…予定が…」

渋い顔をして箱を見つめる大佐の前に立って、俺もその箱を見つめる。

「………もしかして、指輪とか?」

よく、女の人が男の人にもらって喜ぶ、アレ?

「……本当に予定を狂わされるな」

溜息をついて大佐が箱を開く。

「君にあげようと思ってね」

中に入っていたのは、何やらシンプルな白銀の指輪。

「サイズとかどうなわけ?」

「以前、君が寝ているうちに測らせてもらった」

箱から指輪を出して、俺の左手の薬指にはめる。

「………何で?」

「君を、私のものだと証明するために…」

顔を上向かされて、キスをされた。

「……今だけでいい……私を好きで居てくれるとき…そのときくらいは、私だけのもので居てくれ」




いつだって、そうであろうとしてる。
大佐が、望むならいつまでも。

許される限り。




「うん……大佐だけのもので居るよ」




いつか、許されなくなるときまで。

END