evergreen*3*




「お前らみたいな奴が居るとは思わなかったもんでね。ついつい口に出ちゃったんだよ」

 女子供ならまだそんなこと言わなかったかもしれない。
 でも…嫌だったんだ。

 男たちがみんな。

 金色の髪だったから。

「俺たちは逃げてきただけた!お前だってそうだろうが!」

「は?俺は逃げてきたんじゃない…人を探してるだけさ」

 逃げたのかもしれない…確かに。
 でも、絶対に炎からじゃない。

「俺たちがいちゃ悪いってのかよ!」

「そんなこと誰も言ってないけど?」

 あぁ嫌だ。
 何だってこんな。

「離せよ」

 苛立ちが増してくる。

「謝るのか」

「…それとこれとは別だよ」

 男はより頭にきたのか力を込めてくる。

「痛い目見なきゃ解らねぇみたいだな」

「は?」

 それはこっちの台詞だし。

 男の腕に手を伸ばして掴む。

 でも。

 以前のような力は使えなかった。

 変身しようにも出来ない。
 男の腕を捻り潰したくても出来ない。

 もう、人造人間の時みたいに、人間なんかぶっ飛ばせない。

「…っ…離せ…」

 自分の精一杯の力を込める。

 今更ながら、自分の運命を呪った。

 人造人間であれば特に困ることなく生きていけた。

 だが、力が無くなるだけで、こんなに弱いなんて。

 悔しかった。

「エンヴィー!」

 名前を呼ばれて、ふとその方向を向くと…鋼のおチビさんが居た。

「何だお前。こいつの知り合いか?」

 俺を放さないまま男が言う。

「そうだよ。ていうかエンヴィーを放せ…大方そいつが喧嘩売ったんだろうが」

「解ってんなら帰れ…こいつは痛い目みなきゃ解らねぇらしいからな」

 ただ、呆然とした。
 おチビさんが来るなんて。

「一応そんなんでも俺の兄貴なんでね。親父も探してるし、大人しく返してもらいたい」

「聞けねぇな」

 こんな事態を招いたのは俺なのに。

 父さんが…俺を捜してる?

「言っとくけど、俺より親父のが怖いからな。俺が優しく言ってるうちにエンヴィーを返した方が利口だぜ」

 おチビさんがニヤリと笑う。

 きっと錬金術は使えない。
 でも、おチビさんには体術がある。

 俺は一応以前のように動けるけど、力の使い方が解らない。

 これが、能力に頼った俺と、実力を信じるおチビさんの差。




 おチビさんは、結局あっという間に男たちをやっつけてしまった。

 俺を掴んでいた男は、俺を放り出しておチビさんに向かってったけど、撃沈。

「腕のねぇ奴が俺に勝てるかっての」

 おチビさんは無傷。

 俺は茫然と見つめていた。

「大丈夫か?探したんだぞ」

 座り込んでる俺に手を差し伸べる。
 でも、俺はその手を払いのけた。

「余計なお世話だよ!何しにきたんだ」

「お前を捜しにきた。それだけだ」

「でも…」

 俺は探して欲しくなんかなかったんだ。